日本婦人有権者同盟 ホームページを創設

2016年(平成28年)3月31日をもって、日本婦人有権者同盟は解散を決定しました。
同盟の機関紙『婦人有権者』は、2016年3月30日発行の第71巻3号を最終号としました。その最終号のタイトルは、「参政権と歩んだ70年!!」です。
本同盟は2015年(平成27年)11月3日に創立70周年の記念日を迎えたところでした。
解散を決定した理由は、会員の高齢化による会員総数の減少、全国の支部が次々に解散となるなど、本同盟の運動を支える主体が弱くなったこと、財政面においても存続が難しいということが明らかになったためです。

いま、私たちは婦人参政権とともに歩んできた日本婦人有権者同盟の会員たちの、70年間の闘いの記録を、このホームページの中で明らかにしていこうと思います。

日本婦人有権者同盟は1950年に誕生しました

1945年(昭和20年)、第二次世界大戦に敗北した日本の廃墟の中から、「婦人参政権の獲得と、それを有効に行使すること」を目標に掲げ、新たな団体が結成されました。「新日本婦人同盟」です。その中心となったのが市川房枝、藤田たき、斎藤きえなどでした。

市川らは、1945年11月6日~27日、「婦人政治講座」を7回開催します。さらに11月17日には、「婦人参政権問題講演会」を飛行館で開催。赤松常子、平林たい子、久布白落実、山高しげり、杉本節子、市川房枝、原田清子の7名が講演をします。講演会には500人が参加し、一気に婦人参政権獲得運動が燃えたと、記録されています。

このときの熱気が、時の幣原内閣を動かし、マッカーサー司令部が婦人参政権付与を決定する直前の、1945年12月17日、日本政府の「閣議決定」となったことはよく知られている事実です。婦人参政権獲得(婦選)運動を戦前から続けてきた先輩たちの努力は、1945年12月17日、ようやく達成されたのです。

1950年に、この「新日本婦人同盟」は「日本婦人有権者同盟」と改称します。
以来70年間、政治の浄化、女性の地位向上、政治とくらしの直結、国民の福祉のため、参政権の行使がどんなに大切であるかを訴えるため、チラシ配布、月々の機関紙発行、勉強会、講演会の開催などを続けてきました。
私たちは、今、敗戦直後の新日本婦人同盟が、まず一番にどのような活動を始めたか、先輩たちが残してくれた資料の中から、一つ一つを検索していきたいと思います。

歴史をデータベースに

例えば、これは「新日本婦人同盟本部通信 第一号」の抜粋です。

「新日本婦人同盟本部通信 第一号」 1947年6月5日発行
発行者 藤田たき会長,斎藤きえ副会長
第1回常任委員会(5.31)決定の内容(見出し)

  1. 特別維持会員を募る(男女を問わず)毎月50円以上、多いほど可)
  2. 署名数10万を突破。街頭でも署名を続ける。
  3. 新日本婦人同盟事務所を移転する。世田谷区世田谷3-2408へ。玉電宮之阪下車5分。
  4. 新日本建設国民運動 婦人団体協議会に対する要望 1947年7月5日
    文部大臣森戸辰雄殿 国務大臣笹森順造殿
  5. 主食たな上げに対し当局へ要望 1947年11月1日 新日本婦人同盟世田谷支部
  6. 生活協同組合法案の通過促進のための陳情書 何千万の女性のため、また、日本の再建の為に、この法案、通貨促進を。 1947年9月25日 新日本婦人同盟
  7. 「遅配打切ニ対シ、政府当局へ要望 社会党内閣成立ノ際 平野農相ハ主食ノ遅欠配、之ヲナサザルト公約シタノデアリマス… 」昭和22年十月八日 農林大臣平野力三殿 新日本婦人同盟杉並支部
  8. 主食配給に関する御願ひ 1947年11月1日 経済安定本部長管 和田博雄殿

新日本婦人同盟 本部通信 第一号 1947年六月三日発行
第一回中央委員会
第一回常任委員会(5.31)決定事項、その後の動き(見出し)

  • 会費 値上がりしました→年参拾円
  • 特別維持会員について→毎月五拾円以上。財政難緩和のため。
  • 「婦人有権者」→目下印刷中。今後は毎月発行の予定。
  • リーフレット印刷(宣伝用)→各支部で必要部数。実費で。
  • 片山内閣に「声明書」(6月4日、朝日新聞掲載)。
  • 物価値下げ運動→他団体と協力。 昨日、「物価値下げ婦人団体協議会」に参加した。
  • 市川前会長公職追放取消請願運動。 署名を20日までに、至急お送り下さい。
  • 常任委員会  月2回第一第三土曜午後
  • 時事講座  月1回第二土曜 聴講料5円
  • 事務所移転しました!
    世田谷区世田谷3-2408 小田急

チラシ 新憲法公布記念  講演と映画の会
1面 タイトル 婦人と新憲法
新憲法は十一月三日公布
来年五月三日 実施されます
日本国憲法
第三章国民の権利及び義務 第十三條
第二十四條 婚姻は…両性の合意のみに
第四章
新日本婦人同盟とは…
政治をよくし、平和な  民主的な…
第一種会員  年拾円
第二種会員  年参拾円

一面
見開きメトロ・ゴールドウインメイヤー映画 キューリー夫人(梗概)十三巻
キューリー夫人を見ずして科学を語るなかれ

二面
講演と映画の会 日比谷公会堂
12月3日午前11:30 と午後2:30
入場料 10圓

プログラム
婦選の歌 合唱
講演
★「新憲法と婦人の覚悟」 新日本婦人同盟会長 市川房枝
★「新憲法と平和」 対日食糧救済使節 エスター・ローズ女史
通訳 津田塾専門学校教授
新日本婦人同盟常任委員 藤田たき
映画「キューリー夫人」(十三巻)
入場券(10圓券)(割印ナキモノハ無効トス)新日本婦人同盟扱者印)

この後、さまざまな運動を展開し、全国の有権者にたゆまず訴え続け、全国津々浦々に支部を創設し、本部支部が力を合わせて日本婦人有権者同盟が大きく成長していきます。

70年間の歴史を残された資料画像をこのホームページに順次掲載いたします。
説明・加筆が必要な部分も多々あるため、皆さまからの情報やお声もお聞かせいただければ幸いです。

70年間の活動記録

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千葉県大網白里市季美の森南2-37-7
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